さて、宝塚から嵐山への直通列車ですが、普段では有り得ないルートで運行されます。
今津線 ー 神戸線 ー 京都戦 ー 嵐山戦 の四つの路線をまたがって運行されます。通常の列車ですと一つか、せいぜい二つの路線しか経由しません。
臨時直通列車は、この四つの路線を走行するため、二つの離れ業をやってのけます。
今津線から神戸線へ
まず、一つ目は今津線(北線)から神戸線への乗り入れです。
今津線は西宮北口駅で神戸線に直角に突き刺さる形になっています。
昔はダイヤモンドクロスといって線路が直角に平面交差していました。そのため、道路のように信号によって、片方の路線の電車が走るときは、もう片方の路線の電車が待たされるといった光景が見られました。
いざ、ダイヤモンドクロスを通過すると、ガタガタガタガタと揺れて面白かったものです。
今は神戸線の本数が増えたので、信号待ちをするわけにいかなくなり、今津線を南北に分断してしまいました。
このため、宝塚を出た電車は西宮北口が一旦終点となり、そこから今津方面に行く乗客は、駅の反対側まで歩いて乗り換えています。
しかし、臨時直通列車はこの今津線と神戸線をつなぐ特別の線路上を走るのです。
つまり、直角に交わる線路を円弧状につなぐ線路が存在しています。
図1 西宮北口駅 by Yahoo!Japan地図
図1の北(上)の今津線から東(右)の神戸線にグググッと曲がっていく線路です。
もちろん、通常のダイヤの電車は走行しないのですが、臨時直通列車に限り、ここを通るのです。なんかワクワクしますね。
ただ、横に迂回するがために臨時直通列車は西宮北口に停車できません。一応曲線に沿ったホームはあるのですが、柵がしてあり、乗降はできません。恐らく臨時列車が8両編成で今津線の6両より長く、停車しようにもできないのではと思います。
通常の電車は全て西宮北口に停車するのに、この臨時直通列車だけ停車しないので、駅や車内アナウンスで、「この列車は西宮北口には停車しませんのでご注意ください。」と注意を促しています。
でも、必ず間違う人がいるだろうなと思っていました。
別に期待していたわけではありませんが、案の定、隣の車両でベビーカーを押したお母さんが、「西宮北口には停車しません。」とアナウンスされた途端に立ち上がって周りをキョロキョロしだしました。
そのうち西宮北口を通過しだすと、落ち着かなく立ったり座ったりして外を確認していました。やはり間違ったんですね。
かわいそうに、お母さんは塚口駅まで乗り過ごしてしまいました。
車掌はもっと大きな声で「注意してください!注意してください!」ぐらい言えばいいのにと思いました。
神戸線から京都線へ
はい、次は離れ業の二つ目です。
阪急神戸線と京都線は十三(じゅうそう)駅で合流します。
しかし、十三駅の神戸線のホームに着いた臨時直通列車は、このままでは京都線に入れません。
図2 十三駅 by Yahoo!Japan地図
図2で十三駅から北(上)に3本の線路が延びています。左が神戸線、真ん中が宝塚線、右が京都線です。南(下)に行くと梅田駅です。
そこで、この列車は梅田方面に発車して少し走った後、一旦停止します。
そして、なんと進行方向を逆にして走り出します。その間に京都線方面に線路を移動して再び十三駅の今度は京都線ホームに滑り込みます。そして京都線の乗客を乗せて走り出します。
電車が急に逆走して驚く乗客がいるのでは?と思って見ていましたが、そんな人はいませんでした。
直通なので、ずっと座っているだけで嵐山まで連れて行ってくれて楽チンでした。
しかも普段経験できないルートで走行するというお楽しみまで付いて、楽しい日帰り旅行でした。
混雑情報
それでは、この臨時直通列車に乗ろうと思っている方に情報提供です。
私は宝塚駅からこの臨時列車に多くの乗客が乗り込むと思い、30分前に駅に着きました。
ところが・・誰もいません。
臨時列車が発車するホームに上がる階段の前で並んで待っていましたが。発車10分前でも10数名しか並びませんでした。
臨時列車に乗り込んで、発車するときも席は半分ぐらい空いていました。
そして、嵐山まで走行している間、ほとんど立っている人はいませんでした。
十分余裕があるので、あわてて早く来る必要はないと思います。
ただ、これは4月2日(土)の情報ですので、他の日はもっと混んでいる日があるかもしれませんので、ご注意ください。
嵐山 渡月橋 人で溢れています。
今、人気の『ゆばチーズ』
嵐電に乗って桜のトンネルも通りました。
龍安寺の石庭の桜も見ました
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